登録日:2025.03.10
【事例あり】賃貸経営におけるリノベーションのメリット3選!注意点と成功のポイントも紹介

目次
「マンションの築年数が古くなり、家賃が下がってきている…」
「どの程度の費用をかけてリノベーションすればいいの?」
「リノベーション行う上での注意点を知りたい」
このようなお悩みや疑問を抱えているかたは、多いのではないでしょうか。築年数が経過すると、賃料の下落や入居率の低下は避けられません。そのような状況で賃貸物件の価値を維持するために、リノベーションが効果的な対策の1つです。
本記事では、賃貸経営におけるリノベーションのメリットや注意点、成功のポイントについて詳しく解説します。リノベーションを行って収益アップや空室改善を図りたい賃貸オーナーの方は、ぜひ参考にしてください。
リノベーションとは?リフォームとの違いも解説
賃貸物件の改修には、大きく分けると「リノベーション」と「リフォーム」の2種類があります。入居率向上や家賃アップを狙うならリノベーションが有効ですが、それぞれの違いを知ることで、どのような改修が賃貸経営の改善につながるのかが見えてきます。ここでは、リノベーションの概要とリフォームとの違いについて確認しましょう。
1.リノベーションとは「価値を高める改修」のこと
リノベーションとは、古くなった物件を単に修繕するのではなく、より魅力的な住空間へと生まれ変わらせるための改修を指します。例えば間取りを変更して広いリビングを作ったり、使い勝手の良い設備を導入したりすることで、住み心地を大幅に向上させられます。
特に築年数が経過した物件の場合、古さを感じさせないデザインや最新の設備を取り入れることで、現代の入居者ニーズに合った快適な住環境を実現できます。
また賃貸物件の市場では、築年数が古くなると家賃を下げなければ入居者が決まりにくくなる傾向があります。そこで、リノベーションを施すことにより競争力を高められ、家賃の下落防止につながるでしょう。
2.リフォームとの違い
リフォームとは、主に原状回復を目的とした工事のことを指します。例えば「経年劣化した壁紙や床材を新しいものに張り替える」「壊れた設備を修理する」といった工事がリフォームに該当します。リノベーションと異なり、大きな間取り変更や設備のグレードアップは行わず、あくまで「元の状態に戻す」ことが主な目的です。
賃貸経営においてリフォームは必要不可欠ですが、補修工事だけでは現代の入居者のニーズに十分応えられない可能性があります。しかしリノベーションを施すことで、物件の魅力を大きく向上させられるでしょう。
賃貸経営におけるリノベーションを行う3つのメリット
賃貸経営において、リノベーションは空室対策や物件価値の向上に大きく貢献します。単なる修繕にとどまらず、デザインや機能面を改善することで入居者の満足度を高め、競争力のある物件へと生まれ変わらせることが可能です。ここでは、リノベーションによって得られる具体的なメリットについて詳しく解説します。
1.見た目と設備のグレードが向上し入居が決まりやすくなる
賃貸物件において、第一印象は非常に重要です。築年数が古くても、内装が美しく整えられていれば、入居希望者にとって魅力的に映ります。
例えば、古い2DKの物件を1LDKに変更することで、居室に開放感がプラスされ、より広々とした空間を演出できるでしょう。また設備面では、最新のシステムキッチンや浴室乾燥機を導入することで、生活の利便性を高められます。さらに、アクセントクロスを取り入れることでデザイン性を向上させ、より現代的な印象を与えることも可能です。
2.家賃を上げられる可能性が高まる
リノベーションを施すことで、家賃を上げられる可能性が高くなります。特に内装や設備を一新したり、デザイン性の高いリノベーションを取り入れたりすることで、入居希望者が「この家に住みたい」と思う魅力的な物件になります。
例えば、バス・トイレが一体型の3点ユニットバスをセパレートタイプに変更するだけで、利便性が大幅に向上しターゲットとなる入居者層が広がります。ファミリー向けの物件では、対面式キッチンや収納スペースを増やすことで、より快適な住環境を提供できます。
3.資産価値の下落を防げる
通常は築年数が経過することにより、物件の資産価値は下落していきます。特に、築30年以上の物件では、外観や内装が古びて見えることで空室率が高くなり、結果として物件の評価額が下がるケースが多く見受けられます。
しかしリノベーションを行うことで、築古物件であっても現代の入居者のニーズに適した住まいへと生まれ変わらせることができます。例えば耐震補強や断熱性能の向上、最新設備の導入などを行うことで、賃貸物件としての魅力を高めることが可能です。また、リノベーション済みであれば投資物件としても評価されやすく、将来的に売却を考えた際にも有利に働くでしょう。
賃貸経営におけるリノベーションを行う際の3つの注意点
リノベーションには多くのメリットがありますが、適切に計画しなければ、期待した効果が得られないこともあります。例えば「多額の費用をかけたのに家賃を上げられなかった」「デザインにこだわりすぎて入居者のニーズとズレてしまった」といった失敗例も少なくありません。
ここでは、リノベーションを成功させるために押さえておくべき3つの注意点を解説します。
1.費用対効果を意識する
リノベーションにかかる費用が、その後の賃貸経営にどのような影響を与えるのかをしっかりと検討することがとても重要です。単に高額なリノベーションを施したからといって、必ずしも家賃を大幅に引き上げられるわけではありません。地域の家賃相場やターゲット層のニーズに合わないリノベーションを行ってしまうと、結果的にコストだけがかさみ、想定通りの収益を得ることができなくなります。
例えば高級感のある内装や設備を導入した場合、かかった費用の分、家賃を高く設定しなければならなくなります。しかし、周辺エリアの家賃相場と乖離していると、入居者が決まりにくくなるでしょう。リノベーションの計画を立てる際には、競合物件の状況をリサーチして入居者が求めるポイントを見極めた上で、適切な範囲で改修を行うことが大切です。
2.入居者目線のリノベーションが重要
リノベーションを行う際、オーナーの好みだけでデザインや間取りを決めてしまうと、ターゲットに合わない物件になってしまう可能性があります。賃貸物件のリノベーションでは、まず入居者目線で考えることがとても重要です。
例えば、単身者向けの物件であれば、コンパクトながらも機能的なキッチンや収納スペースを充実させるといった工夫が求められます。一方でファミリー向けの物件では、広々としたリビングや対面キッチンなど、家族が快適に過ごせる設計が好まれます。このようにリノベーションを成功させるためには、ターゲット層のライフスタイルをしっかりと把握し、ニーズに見合った改修を行うことが重要です。
3.耐震性や配管の劣化に注意する
リノベーションを行う際には、見た目だけでなく、建物の安全性にも十分に注意を払う必要があります。特に築古の物件では、耐震性能が不十分であったり、配管が老朽化していたりすることがあります。
こうした問題を放置したまま表面的なリノベーションを施してしまうと、後になって大規模な修繕が必要になる可能性があります。結果的に余計なコストが発生してしまうため注意が必要です。
例えば、築30年以上の物件では、給排水管が老朽化しているケースが多く見受けられます。リノベーションの際にこれらの設備を更新しないと、入居後に水漏れや詰まりなどのトラブルが発生し、さらにコストがかさんでしまうことになります。また、耐震補強も重要なポイントのひとつです。特に1981年5月31日以前に建築された物件は、旧耐震基準で建てられているため、現在の耐震基準を満たしていない可能性があります。リノベーションの計画を立てる際には、耐震補強の必要性も検討することが大切です。
賃貸経営におけるリノベーションを成功させる3つのポイント
1.入居者のニーズに合った設備を導入する
リノベーションを効果的に活用するには、入居者が求める設備や間取りを取り入れることが大切です。例えばリモートワークの普及に伴い、デスクを置けるスペースを確保したり、高速インターネット環境を整えたりすることで、在宅勤務者の関心を引くことができます。さらに、近年ではペット可の物件を探す入居者が増えているため、ペット向けの設備を導入することで差別化を図ることも有効です。キャットウォークやペット用の壁紙、防音対策を施すことで、ペットと暮らしやすい環境を提供でき、ペット飼育可能な物件を探している層に強くアピールすることができます。
2.ホームステージングを導入して内見時の印象を良くする
リノベーションを施した物件をより魅力的に見せるためには、ホームステージングの活用が効果的です。ホームステージングとは、物件をより魅力的に見せるための演出手法です。家具やインテリア小物を効果的に配置することで、内見時に入居後の生活を具体的にイメージしやすくなります。
例えば、リビングにダイニングテーブルやソファを置き、クッションや観葉植物をプラスすることで、居心地の良い雰囲気を演出できます。また、ホームステージングは写真撮影の際にも効果を発揮します。インテリアが整い、照明の演出が加わった状態で撮影した写真は、ポータルサイトに掲載した際により魅力的に映るため、オンラインでの問い合わせ件数を増やすことができます。
3.リノベーション後はネットを駆使して幅広くアピールする
リノベーションを施した物件は、内装や設備が一新されるため写真や動画映えが格段に向上します。これにより物件の魅力を視覚的に伝えやすくなり、空室を募集する際の反響も増加します。
しかし、どれだけ魅力的な写真や動画を準備しても、それを適切な方法で発信しなければ意味がありません。多くの入居希望者は、物件探しの際にSUUMOやHOME'S、at homeなどのポータルサイトを利用するため、ここでの見せ方が成約率に大きく影響します。特に、リノベーション後の物件は写真や動画のクオリティが向上するため、視覚的に訴求することが重要です。
またポータルサイトを活用する際には、適切な掲載管理や反響分析も求められます。そこで「賃貸オーナー向け募集支援サービス」ECHOESを利用することにより、オーナー自身がこれらの大手ポータルサイトに直接物件を掲載でき、掲載内容の管理や問い合わせ状況の把握がスムーズに行えます。これにより、リノベーションの効果を最大限に発揮し、より多くの入居希望者に物件をアピールすることが可能になります。

賃貸経営におけるリノベーションの成功アイディア
リノベーションを成功させるためには、物件の状態に見合った対策を施すことが有効です。本章では、空室対策に効果的な2つのアイディアを紹介します。
1. 築45年の在来浴室2DKをお洒落なデザイナーズ1LDKにリニューアル(アイディア紹介)
【物件概要】
工事費用 | 約630万円 |
築年数 | 築45年 |
物件種別 | 区分マンション |
間取り | 2DK(42㎡)→1LDKに変更 |
【問題点】
この築45年の2DK区分マンションは、老朽化と水回り設備の古さが原因で空室が目立つ状況です。特に在来工法のバランス釜浴室は使い勝手が悪く、入居者の敬遠理由の1つとなっています。
【改善策(シミュレーション)】
間取りを2DKから1LDKに変更し、広々としたリビングを確保。さらに、システムキッチンや最新のユニットバスを導入することで、利便性とデザイン性の向上につながります。
また、アクセントクロスを取り入れたおしゃれな内装が効果的です。このリノベーションにより、物件の印象が大きく向上し、内見希望者の増加や入居率の改善が期待されます。
2. 築38年の3点UBタイプ1Rを人気のセパレート物件にフルリノベーション (アイディア紹介)
工事費用 | 約390万円 |
築年数 | 築38年 |
物件種別 | 賃貸マンション |
間取り | ワンルーム3点UBタイプ→3点セパレートタイプに変更 |
【問題点】
こちらの築38年のワンルームマンションは、3点ユニットバスが原因で入居付けに苦戦する要因となっています。バス・トイレ・洗面台が一体化したユニットバスは、単身者には敬遠されやすく選択肢から外れる要因となっているため、リノベーションをの実施が効果的です。
【改善策(シミュレーション)】
バス・トイレ・洗面台をそれぞれ独立させる3点セパレートタイプへ改修し、快適な住環境を整えます。また機能面だけでなくデザイン性にもこだわった結果、40・50代中心だった入居者層が20代へと広がりを見せます。入居決定までの期間も短縮され、特に単身者向け物件では水回りの改善が、大きな競争力につながるでしょう。
効果的なリノベーションで安定した賃貸経営を実現しよう
リノベーションは、築年数が経過した賃貸物件において、空室対策や家賃アップを図るための有効な手段です。ただしリノベーションを成功させるためには、入居者のニーズを的確に捉えた改修を行い、適切な集客戦略を立てることが重要になります。
間取り変更や設備のアップグレードを施すことで、築古物件でも新築同様の魅力を持たせることができます。さらに、リノベーション後に物件をインターネットを活用して広くアピールすることで、入居率を向上させられます。
ECHOESを活用すれば、オーナー自身がSUUMOやHOME'S、at homeなどの大手ポータルサイトに直接物件を掲載できます。さらに、掲載後の反響状況をリアルタイムで把握できるため、効果的な募集戦略を立てやすくなります。従来のように不動産会社を通さず、自分でスピーディーに情報を更新できる点も大きなメリットです。
リノベーション後の物件を最大限に活かすためにも、効果的な集客ツールを積極的に活用し、安定した賃貸経営を実現しましょう。
