登録日:2023.11.14

アパート・マンションの空室対策10選。やってはいけない方法や実施のタイミングも紹介

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目次

人気が高まっているアパート・マンションの賃貸経営。しかし大家さんの中には、空室が埋まらずに悩んでいる方も多いです。

また、これから賃貸経営を始めようという方にとっても、空室リスクはやはり大きな不安の種となります。

そこでこの記事では、空室の原因や対策について徹底解説します。効果的な空室対策方法はもちろん、対策を実施するタイミングや、やってはいけない対策方法などもまとめました。

現在空室にお悩みの大家さんやこれから賃貸経営を始めようと考えている方は、ぜひご覧ください。

空室対策とは?安定した賃貸経営に重要な理由

空室対策は安定した賃貸経営に重要です。なぜなら賃貸経営は、その収入のほとんどが入居者からの家賃となっています。
空室が続けば家賃が入らず、収入を得られなくなってしまいます。

特に近年は、人口減少が進んでいることと物件の供給数が増えていることから、立地の良い物件や築浅の物件でも空室ができやすいのが現状。入居者が「住みたい」と思えるような対策をしなければ、空室がいつまでも埋まらないという事態になりかねません。
このため、以前よりも空室対策が重要視されているのです。

空室の原因

空室対策をするには、なぜ空室ができてしまうのか、その原因を把握することが大切です。
空室の原因はさまざまですが、主に以下のようなものがあります。

家賃、礼金、敷金が適正ではない

基本的に入居希望者は、複数の物件を比較して、その中から契約する部屋を決めます。
この時、ほぼ同条件であるにもかかわらず家賃や礼金、敷金が高い物件は、自然と候補から外れてしまい、内見まで至りません。

同じ物件は1つとないため、家賃の設定はどの大家さんも苦労すると思います。しかし、空室率に関わる重要な部分なので、周辺の競合物件と比較するなどして、相場の料金で設定するようにしましょう。

物件の魅力に乏しい

周辺の競合物件に比べ、魅力に乏しい場合も空室の原因になります。
特に近年はオートロックや防犯カメラなど、セキュリティ面の設備が重視されていることから、これらの設備がない物件は入居先として選ばれにくいです。家賃を下げなければ入居者が得られず、大家さんにとって損失になってしまいます。

競合物件と比較した結果、魅力に乏しいと感じたら、リフォームやリノベーションによる改善を検討しましょう。

十分なアピールができていない

近年はインターネットを用いて賃貸物件を探す人が増えています。そんな中でインターネットを使わない入居者募集は、入居希望者の目に留まりにくく、問い合わせに繋がりにくいです。

外観・内装が汚い

内見後に契約を辞退する理由として、「建物や部屋が古く汚れていた」と答える人は少なくありません。

入居の条件が適切で設備などが整っていても、第一印象が悪いとそれだけで契約が決まりにくくなってしまいます。このため、建物や居室を全体的にクリーニングして、印象アップを図りましょう。常にキレイな状態を保つことが空室対策の1つになります。

物件によっては築年数が古かったり、老朽化が進んでいたり、ちょっとしたクリーニングではどうにもならない部分があるかもしれません。建物の状態次第ではリフォームやリノベーションも視野に入れて検討してください。
特に周辺に新築の競合物件が多い場合は、自身の所有物件を新築同然にリノベーションするだけでも入居希望者が集まりやすくなるはずです。

設備が不十分

最低限の設備がない物件は内見の候補にさえ挙がらないケースが多くあります。
最低限の設備とは人それぞれ違いますが、近年では収納、ガスコンロ、室内洗濯機置き場、洋式トイレなどを設備面の絶対条件としている人がほとんど。逆に言うと、これらの設備がない物件は空室リスクが大変高くなってしまいます。
時代やターゲットのニーズに沿った設備を導入することが空室リスクを減らすことに繋がります。

空室対策を実施するタイミング

具体的な空室対策について解説する前に、空室対策を実施するタイミングを確認しておきましょう。適切なタイミングで実施することによって空室対策の効果を高めることができます。

物件を評価する時

最初は物件を評価するタイミングで空室対策を実施します。
適切な物件の評価とターゲットの設定ができれば、その後の入居者募集の成功にも繋がります。チェックリストなどを用意して活用しましょう。

退去・原状回復をする時

前の入居者が退居し、原状回復をするタイミングであればリフォーム・リノベーションによる空室対策ができるチャンスです。最低限のクリーニングや壁紙変更はもちろん、これを機に設備を充実させたり、内装を変えたりして入居希望者増加を図ります。
その際は第三者の意見を取り入れるとより効果的です。

入居者を募集する時

入居者募集の期間中もさまざまな空室対策ができます。入居希望者の興味を引きやすいようフリーレントの期間を設けるなど、ターゲットに合わせて募集条件を見直してみましょう。
入居者募集にインターネット上のポータルサイトを利用している場合、定期的に内容を更新し、最新情報を提供するよう心がけることも大切です。

内見申し込み・賃貸仮契約があった時

このタイミングでは、内見から契約へ繋げるための空室対策を行います。例えば大家さんにしか分からない魅力を提供したり、家具を揃えた「モデルルーム」の状態で内見者を迎えたりする対策方法があります。(ホ―ムステージング)
特に後者の方法は、内見者が入居後のイメージを持ちやすくなって成約率が高まります。

入居者が決まった後

入居者が決まった後は、退去を防ぐ空室対策を行うことが望ましいです。入居してからの要望や不満を質問するアンケートを実施して対処したり、契約更新時にプレゼントを贈ったりすることで、「長く住み続けたい」と思ってもらうことができます。

空室対策10選

ここからは、具体的な空室対策10選を解説していきます。

1.物件の再評価とターゲットの見直し

最初に実施したいのは物件の再評価です。
物件に対する大家さん自身の評価と客観的な評価にズレが生じていては適切な入居条件を設定できません。結果、入居希望者にとって賃料が高く感じたり、イマイチ魅力がないように思えたりしてしまいます。
賃料、間取り、立地、設備など、さまざまな面から物件を評価するチェックリストを用意し、自分なりの評価を改めてまとめてみてください。
管理会社などのプロに依頼して同じように評価してもらうと、自分自身の評価とのズレを比較することができてより効果的です。

この時、一人暮らしやファミリー、学生など、その物件に主に住むと思われる人(ターゲット)の見直しも行い、ズレがあったら修正しておきましょう。適切なターゲットの設定は、空室リスクを減らすことに繋がります。

2.入居者募集の情報更新

近年はインターネットで条件の合う物件を事前に探し、そこから内見する物件を絞り込む人が増えています。このため、インターネット上に掲載されている情報が入居希望者の数を左右すると言っても過言ではありません。内見まで進んでもらうためには、まず入居者募集の情報を充実させることが大切です。
入居者募集の情報はこまめに更新し、「内見してみよう」と思ってもらえるように努めましょう。

具体的には物件の写真を増やす、キレイなものに差し替える、情報を最新のものに更新するなどの作業を行います。

今まで入居者情報を掲載してから何もしていなかった大家さんは、早めに更新作業を行うことをおすすめします。

不動産のポータル掲載システム「ECHOES」なら、お手持ちの募集図面等をアップロードするだけで複数のポータルサイトに物件情報が掲載できます。
さらに、自由にカスタマイズできるため、物件の魅力を最大限にアピールした情報の作成が可能です。

簡単かつ効率的に入居者募集の情報更新をしたい方は、ぜひ、ECHOESを活用した募集をご検討ください。

>>ECHOES

3.仲介会社との関係づくり

仲介会社を利用した入居者募集を行う場合は、仲介会社との関係づくりも空室リスク低減に欠かせません。

仲介会社は、物件への入居を希望する人と直接顔を合わせる「窓口」になります。仲介会社の頑張り次第で成約率が変わることもあるほどに重要な役割を担っているのです。
そんな仲介会社と良好な関係が築けていれば、入居者募集にあたってさまざまな要望を伝えたり、効果的な集客方法を教えてもらえたり、コミュニケーションがとりやすくなります。
仲介会社と良好な関係を築くには、やはり自分からの働きかけが大切。業務に差し障りのない時間帯を見計らって訪問し、挨拶をするだけでも印象が変わります。
また、入居者募集の際も仲介会社にすべて任せるのではなく、ある程度の交渉権限を持たせるなど、パートナーとして協力する意識を持ちましょう。

4.設備の見直し・導入

「空室の原因」でまとめたように、設備は入居を決める大きな要因の1つになります。今ある設備で充分かを見直した上で、必要に応じて新しい設備を導入することも検討しましょう。

特に近年はセキュリティ意識が高まっているため、セキュリティに関わる設備を充実させることが大切です。防犯カメラやモニター付きインターフォン、オートロックは需要があります。
また、居室の鍵に防犯性の高いディンプルキーを採用した物件のニーズも増えており、周辺の競合物件次第では大きなアドバンテージになることでしょう。

5.リフォーム・リノベーション

設備と同じく外観・内装も重要度の高い項目です。築年数は仕方ありませんが、外観や内装が汚いと入居を辞退される可能性が増えてしまいます。

客観的な視点で見て外観や内装が古い、汚いと感じたら、思い切ってリフォーム・リノベーションをしましょう。見た目をキレイにするだけで内見時の印象がぐっと良くなります。
居室の内容に関しては、学生やファミリーへ勧める物件なら北欧風、高齢者へ勧める物件なら和風など、ターゲットに合わせたテイストを採用するのがおすすめです。

6.フリーレントの実施

特に学生がターゲットの物件に効果的なのは、フリーレントの実施による空室対策です。
学生の場合、進学先が決まった1月頃に引越し先を探し始めますが、実際に入居するのは3月後半から4月にかけて。「部屋は確保したいけれど、家賃がもったいない」と感じる学生が多いです。
そこで、3月後半から4月頃まで家賃負担がなくなるよう、フリーレント制度を設けます。すると、引っ越しまで期間が空いていても契約しやすくなり、成約率が上がります。

学生がターゲットではなくても、一定期間の家賃が無料であれば、お得感があって前向きに入居を検討する人が増えるので空室対策に効果的です。

7.募集条件の緩和

どうしても入居希望者が集まらない場合は、募集条件を緩和するのも手段の1つです。条件に見合う人の母数が増えれば、入居希望者も増える可能性があります。

特に近年は在留外国人による賃貸需要が高まっていることから、外国人の受け入れ体制を整えることで空室を埋めやすくなります。
他には、ペット禁止の条件をペット可に変更することでも入居希望者の増加を見込めるでしょう。

8.居室・共用部の清掃

基本的なところで言えば、居室や共用部の清掃を徹底し、キレイな状態を保つことも忘れないようにしましょう。内見時の第一印象は入居を検討する最初のポイントです。第一印象が悪いと、希望に沿った部屋でも「住みたい」という気持ちがなくなってしまいます。
居室や共用部の状態は常日頃から気を付けるのがベストですが、最低限、内見の予約が入っている前日だけでも居室や共用部の掃除をしておきましょう。

9.十分な内見準備

内見までに、十分な準備を行っておくことも空室対策の一環です。内見時に物件の魅力を伝えきれなければ、契約を辞退されてしまうかもしれません。
インターネット上では分からない物件の魅力をまとめておき、それを当日に紹介したり、内見がスムーズに進むよう段取りを確認しておいたりしましょう。

また物件の印象には関係しませんが、入居希望者のためにスリッパや間取り図を用意しておくなど、大家さんのおもてなしの心が成約を決めるケースもあります。できる限りの準備をして内見者をお迎えしてください。

10.入居者へのアフターフォロー

こちらは入居希望者ではなく、すでに入居している人にできるだけ長く住んでもらうための空室対策です。

具体的には、アンケートを実施するなどして入居者の要望や不満を聞き、可能な範囲でそれらを解決します。要望が聞き入れられ、不満が改善されれば退去を考える入居者が減り、結果として空室対策に繋がります。
アンケートを実施する際は、お礼にクオカードなどを用意すると回答をもらいやすくなります。

やってはいけない空室対策3選

ここまで解説したのとは反対に、やってはいけない空室対策もあります。中でも特に気をつけたい3つの対策方法を挙げたので参考にしてください。

1.相場よりも大幅に家賃を安く設定する

なかなか入居希望者が現れない場合、焦って家賃を相場よりも大幅に安く設定してしまう大家さんがいます。しかし、それでは収益性の高い安定した賃貸経営ができず本末転倒です。

相場より明らかに高い場合を除いて、家賃を下げるような空室対策はしないようにご注意ください。まずは空室の原因を突き止め、その原因に合わせた正しい対策をすることが大切です。家賃を下げるのはその後、必要がある場合に留めましょう。

2.空室を埋めるためだけの条件変更

「空室対策10選」で、募集条件の緩和による空室対策を紹介しました。それ自体は高い効果が見込めるものの、何の対策もしていない場合、トラブルが発生する可能性もあるため注意が必要です。

例えば、近年人気が高いペット可の条件へ変更すると、居室にペットの臭いがついてしまい、退去後に原状回復のため、床や壁をすべて張り替えなければならないことも。このためペット可にするなら、あらかじめ敷金を高めに設定しておくなどの対策をしておくことが望ましいです。

在留外国人や高齢者の受け入れを可にする場合も、それぞれに異なるトラブルの発生が想定できます。保証会社をつけるなど、きちんと対策を施した上で募集条件を変更・緩和する必要があります。

3.費用対効果を考えずリフォーム・リノベーションをする

物件の魅力を高めるリフォーム・リノベーションに関しても、やりすぎは禁物です。費用対効果を考えないリフォーム・リノベーションは、最終的に費用の回収ができなくなる恐れがあります。
リフォーム・リノベーションは費用が回収できるよう計算した上で行いましょう。費用対効果が低いと思われる場合は、あえて実施を見送るのも手段の1つです。

空室対策の方法はどのように決めるか?

この記事では空室対策として10の方法を紹介しましたが、すべての方法を並行して実施するのは困難です。では、その空室対策から始めればいいでしょうか?
最後に、実施する空室対策の決め方について、4つの基準を解説しますので参考にしてください。

入居者ニーズから

入居者ニーズを考えた空室対策は、はじめに実施しておきたいところです。
例えば近年はオートロックやTVつきインターホンなど、セキュリティに関する設備のニーズが高まっています。こうした設備を導入するだけでも空室率は改善されるでしょう。

空室率から

1年間あたりの空室率の平均を見て、対策方法を決める方法です。
具体的には、空室率の程度がさほど高くない場合は居室や共用部の清掃をする、入居者募集の更新頻度を上げるなど、簡単な対策でも改善できる可能性があります。

反対に、築年数が古いなどの理由からどうしても空室が埋まらない場合は、リフォーム・リノベーションを伴う大掛かりな対策が必要です。
費用面の問題で工事が難しい場合は、在留外国人や高齢者を受け入れるなどして、ターゲットを広げることも検討しましょう。

予算から

かけられる予算によって、実施できる空室対策は大きく変わります。予算の確保が難しい場合は、居室や共用部の清掃、物件の再評価、ターゲットの見直しなど、低コストでできる対策から始めましょう。

予算に余裕がある場合は、空室の原因次第でリフォーム・リノベーションのように、コストをかけた対策を行うとより高い効果を得られます。
特に築年数の古い物件や設備が不十分な物件は、可能な範囲でコストをかけてリフォーム・リノベーションすることをおすすめします。

目標から

賃貸経営の目標は大きく2つ。長期的な経営を目指す人もいれば、満室にしてから物件を売却するという人もいます。

前者の場合、多少のコストをかけてでも空室率を改善する対策方法が適していますが、後者の場合はコストをかけすぎてしまうと、最終的に得られる利益が減ってしまう可能性があります。
後者のケースは居室や共用部の清掃、入居者募集の更新頻度アップ、募集条件の見直しなど、できるだけコストのかからない空室対策が向いています。

まとめ:正しい空室対策で安定した賃貸経営を

この記事では、空室の原因や空室対策を実施するタイミング、効果的な対策方法、やってはいけない対策方法などを解説しました。

空室の問題はすべての大家さんが抱える悩み。少しでも空室率を下げるため、日々努力していらっしゃることと思われます。
しかし、原因が分からずに誤った対策をしても効果は得られません。まずは空室の原因を把握し、その上で空室率の程度や予算、目標などから、より高い効果を得られる空室対策を実施してください。

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