登録日:2023.11.14
アパート経営の成功率は?失敗から学ぶ成功率アップ術
目次
アパート経営を始めるからには、成功したいと誰もが願うものです。
特に、これからアパート経営を始めようと考えている方は「自分でも成功できるだろうか?」「失敗したらどうしよう」という不安を抱えているのではないでしょうか。
今回は、アパート経営の成功率と、成功するためのポイントについて解説します。
アパート経営の成功率は7割程度
不動産一括査定サイト「イエウール」が2022年に行ったアンケート※によると、現役の大家さんで自身のアパート経営に対し「満足している」「まあまあ満足してる」と回答した割合は、合計で7割程度でした。
ただし、こちらは公的なデータではないため、あくまで1つの例として参考にしてください。
そもそも、オーナーによって成功の定義が異なるため、アパート経営の成功率を断定するのは難しいことです。
アパート経営の成功率を知りたいと思うのは、「アパート経営で失敗したくない」という心理からではないでしょうか。
アパート経営の失敗を回避するには、成功の定義を明確にし、そのために必要な行動を取ることが大切です。
これらについては後の項目で解説するので、ぜひ最後まで本記事をご覧ください。
参考:イエウール土地活用「【アパート経営の成功率は76.3%】成功するための秘訣を紹介!」
アパート経営が成功するには10年かかる
アパート経営が黒字になることを成功とすれば、成功までには約10年かかると言われています。
アパート経営には多額の初期費用がかかる上に、アパートローンの返済を行う方がほとんどなので、初めの数年は赤字の覚悟が必要です。
もちろん、アパートの取得費や家賃収入の金額によってかかる年数は異なりますが、コストを回収するまでにはある程度の年数がかかります。
なお、アパート経営の初期費用についてはこちらの記事で解説しています。
>>アパート経営の初期費用は?内訳とシミュレーションで必要な自己資産を確認
そもそもアパート経営の成功の定義とは?
アパート経営の成功の定義は人それぞれです。
一般的に、「アパート経営が成功した」と言える要因として次のようなものが挙げられます。
利益が得られた
アパート経営の初期費用やローン返済などのコストを回収し、黒字になったことを「成功」と定義するオーナーもいます。
利益額に関しては、副業収入や老後の蓄えとして月々数万円から十数万円くらいの場合もあれば、専業オーナーとして不動産投資だけで生活できるほどの収入を得ている場合もあり、人によってさまざまです。
土地を活用できた
土地活用ができるのも、アパート経営の成功の1つです。
相続などで取得した土地を持て余している場合、そのままにしておくよりは、アパート経営を始めた方が家賃収入などのさまざまなメリットが得られます。
既出の「イエウール」が行ったアンケートによると、アパート経営に満足している理由について「使っていない土地を活用できたから」と回答した大家さんが最も多いという結果が出ています。
節税ができた
アパート経営の目的が節税であれば、節税効果が得られた時に「アパート経営が成功した」と言えるでしょう。
不動産収入に関しては、減価償却や損益通算を行うことで課税対象の所得額を抑えられる場合もあります。
また相続の際、現金より不動産の方が、相続税が減額されるというメリットも。
ただし、物件購入の際は「節税になる」というセールストークに安易に釣られないよう注意してください。
実際には利益の出ない物件を購入させようとする不動産会社もあるので、キャッシュフローを確認し、本当に節税対策になる物件なのかを見極める必要があります。
アパート経営で成功しやすい人の共通点
アパート経営で成功しやすい人には、いくつか共通点があります。
アパート経営の明確な目標を持っている
冒頭でも説明した通り、アパート経営の成功の定義や目標は人それぞれです。
ゴールが違えば取るべき行動や計画も異なるので、アパート経営に明確な目標がない場合は、まず目標をはっきりさせる必要があります。
例えば「老後のために65歳までには500万円の収益を得る」など、数字を用いて目標設定すると、融資の額や収支計画などが自ずと決まります。
物件選びを慎重に行う
アパート経営に成功している人は、物件やその周辺エリアのリサーチを行い、慎重に物件を選びます。
アパート経営において、利益を出せる物件を取得できるかどうかは非常に重要です。
特に、空室率は収入に大きく影響するため、空室が出ないような物件を選ぶ必要があります。
土地の周辺環境や賃貸需要、競合になりそうな賃貸物件などはしっかりリサーチしておきたいところです。
アパート経営のパートナーと上手く連携できている
アパート経営をすべて個人で行うには、やはり限界があります。
成功しているオーナーは、不動産会社や金融機関、管理会社など各分野のプロフェッショナルと上手く連携しながらアパート経営を行っています。
決してパートナーに任せきりにするのではなく、自らの希望を伝えて相談し、二人三脚でアパート経営を行うのが成功の秘訣と言えるでしょう。
中でも、アパートの管理は空室率に大きく関わるため、適切な管理会社を選び密にコミュニケーションを取ることが大切です。
オーナーが望む管理の質をしっかり伝え、それを汲み取ってくれる管理会社に委託すれば、入居者の満足度が上がり空室対策につながります。
入念な情報収集ができる
アパート経営において、情報収集をする力は大きな強みになります。
例えば物件選びでは、エリアの賃貸ニーズや競合物件のリサーチが欠かせません。
また、自身に最適なアパートローンを借りるためには、どの金融機関がどんな条件で融資を行っているかを調べる必要があります。
不動産会社や金融機関などプロの専門知識に頼る場面も多くあるかと思いますが、自分にとって最適な選択をするためにも、ある程度の知識や情報を身に付けておくと良いでしょう。
費用のかけどころを見極めるのが上手い
アパート経営にはさまざまなコストがかかるため、削減できるところは削りたいと考えるオーナーも多いかと思います。
成功しているオーナーの多くは、どこに費用をかけるかの判断に長けています。
アパート経営の成功のためには、建物の資産価値を維持するため定期的に大規模な清掃を行う、賃貸ニーズに合わせて必要な設備を増やすなど、費用対効果の大きい施策を積極的に行うことが大切です。
アパート経営に失敗してしまったらどうなる?
ここまでアパート経営の成功について解説してきましたが、万が一経営に失敗してしまうとどのようなことが起こるのでしょうか。
一般的にアパート経営の失敗とは、支出が収入を上回る期間が続き、アパートローンの返済ができなくなるなどで経営が破綻してしまった状態のことを言います。
この場合、まずは金融機関へ金利の引き下げや返済期間の延長など、返済計画の見直しを相談します。
それでも対応しきれない場合は、次のいずれかの方法でローンの返済を行います。
- 一括返済:数ヶ月にわたって返済が遅れると、ローンの一括返済を要求されます。
- 任意売却:一括返済できない場合、金融機関の許可を得て不動産を売却します。任意売却では、市場の相場価値で売却が可能です。
なお、こうした返済方法に応じない場合は、物件が競売にかけられる恐れがあります。
競売での売却額は相場の6〜7割程度にしかならないことが多く、オーナーにとっても金融機関にとっても非常にデメリットの大きい方法だと言えます。
アパート経営でよくある失敗
前項で紹介したのは極端な例ではあるものの、小さな失敗が積み重なると経営破綻につながる恐れもあります。
次のような失敗は、どのオーナーにも起こり得ることです。
物件の価値が下落した
築年数が経過すると、物件の価値も下落します。
これは避けられないことなので、リフォームや家賃の値下げなどで対応する必要があります。
賃貸ニーズを見誤った
賃貸ニーズを見誤ると、入居者が集まらず空室率が高まる原因になります。
例えば、「家賃を高めに設定したが、実は学生が多いエリアで入居者が集まらなかった」などの失敗が考えられます。
収支計画のミス
収支計画は長めに作成するのが基本ですが、数年単位の収支計画を提案されることもあります。
また、空室や老朽化など、アパート経営で起こり得るあらゆるリスクを考慮し、余裕のある収支計画を立てないと、ローンの返済が苦しくなってしまいます。
管理会社選びの失敗
入居者や建物の管理の質は、入居者の満足度、ひいては空室率を大きく左右します。
ずさんな管理会社を選んでしまうと入居者が定着せず、十分な家賃収入が得られないリスクがあります。
入居者トラブルが起きた
家賃の滞納や騒音問題など、入居者によるトラブルも起こり得ます。
入居者トラブルに関しては管理会社とよく相談し、早急な対処が必要です。
災害トラブルが起きた
地震や火災など、災害によるトラブルは大きな損失を与えます。
耐震工事や保険など事前に対処することで、被害を抑えることができます。
その他、アパート経営で起こりやすい失敗については、こちらの記事でも紹介しています。
>>アパート経営の失敗事例10選から学ぶリスク回避の方法とは
最低限知っておきたいアパート経営のリスクと対策
アパート経営の失敗を回避するためには、失敗の要因と対策を知るのが有効です。
そこで、アパート経営によくあるリスクと対策を5つ紹介します。
家賃の下落
家賃の下落の要因には主に2つあります。
1つは経済情勢の悪化や人口減少など市場全体の下落、もう1つは老朽化など物件の問題によるものです。
原因が物件の問題によるものであれば、例えばリフォームを行うなどで対応することができます。
空室リスク
空室リスクは、アパート経営において特に重要な課題です。
空室が増え、その状態が長く続くと十分な家賃収入を得ることができません。
入居者を増やして空室率を下げるには、ターゲットや設備の見直しなど、さまざまな方法があります。
詳しくは、次の記事で解説しています。
>>アパート・マンションの空室対策10選。やってはいけない方法や実施のタイミングも
メンテナンス
物件の老朽化は、賃貸経営において避けては通れない問題です。
定期的にメンテナンスを行い、物件価値を維持しましょう。
メンテナンスにかかる費用をあらかじめプールしておくことで、予想外の出費を減らすことができます。
また、メンテナンスは適切な時期に行うことが大切です。
コストを削減しようと汚れや破損を放置していると、入居者からのクレームの原因や、かえって修繕が難しくなるなどのリスクになり得ます。
災害リスク
近年、地震や火災に加えて、台風や大雨洪水による被害が懸念されるようになっています。
災害に強い建物を設計して予防するのに加え、損害保険へ加入することで災害リスクに備えることができます。
金利の変化
アパートローンを変動金利で借り入れている場合、金利の上昇に注意が必要です。
金利が上昇すると、返済負担が増えてしまいます。
対策としては、金利上昇を視野に入れ、余裕のある返済計画を立てることでリスクを回避できます。
アパート経営の成功率を上げるコツ
最後に、アパート経営の成功率を上げるための5つのコツを紹介します。
賃貸経営の知識を身に付ける
賃貸経営は、不動産会社や金融機関、管理会社などに業務を委託できますが、プロに頼りきりになるのではなく、オーナーも賃貸経営の知識を身に付けることが大切です。
知識を身に付ければ、先方から提案される物件やローン、プランは適正か判断するなど、アパート経営の舵取りができるようになります。
賃貸ニーズを把握した物件選び
賃貸ニーズのある物件を取得することで、空室リスクを抑え、安定したアパート経営が実現できる可能性が高まります。
交通利便性や周辺施設、世帯構成、家賃相場などをリサーチし、賃貸ニーズを把握しましょう。
リサーチには不動産のポータルサイトを使う他、不動産会社に相談したり、実際に現地へ足を運んだりするのもおすすめです。
キャッシュフローを把握する
目先の収益だけではなく、月々のローン返済や将来かかる修繕費などを考慮し、具体的なキャッシュフローを把握する必要があります。
物件価値の下落や金利変動など、考えられるリスクはすべて組み込むと、突然の出費で経営危機に陥る心配が少なくなります。
アパート経営リスクに備える
「最低限知っておきたいアパート経営のリスクと対策」で紹介したように、アパート経営で起こり得るリスクに対しては、事前に対策を行いましょう。
信頼できるパートナーを見つける
アパート経営は、プロの力を借りながら行うのが基本です。
よって、パートナー選びがアパート経営の成功率を左右すると言っても過言ではありません。
不動産会社や金融機関、管理会社などは複数社を比較して、信頼できるパートナーを選ぶと良いでしょう。
まとめ:オーナー次第でアパート経営の成功率は上げられる
オーナーによってアパート経営の成功の定義が異なるため、成功率を断定するのは難しいと言えます。
ただし、オーナー次第でアパート経営の成功率を上げることができるのは確かです。
アパート経営を成功に導くために、今回紹介したポイントをぜひ実践してみてください。
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