登録日:2023.11.14
初心者必見!アパート経営のメリットや準備、リスクと対策などを徹底解説
目次
今、アパート経営に注目が集まっており、実際に経営を始めようと準備を進めている人も多いのではないでしょうか。
しかし、アパート経営にはさまざまなメリットがある一方でリスクもあります。きちんと準備をし、必要な対策を行った上で経営を始めなければ、かえって損をしてしまうため注意が必要です。
この記事ではアパート経営が注目されている理由やメリット、経営を始める前の準備、リスクと対策などを解説します。初心者必見の内容となっておりますので、これからアパート経営を始める人はぜひご覧ください。
アパート経営が注目されている理由とメリット
アパート経営が注目されている理由は5つあります。
1つ目の理由は、安定した所得を得られるためです。アパート経営では部屋を貸している分、毎月家賃収入を定期的に得られます。建物の管理や清掃、入居者からの問い合わせ対応などの業務はありますが、全戸空室にならない限り一定の収入を得られます。
2つ目の理由は、老後の年金対策になるためです。近年、年金の支給額が減少傾向にあり、年金に頼りきった老後の生活が難しくなっています。アパート経営は年齢に関係なく安定した家賃収入を得られることから、定年後の私的年金として活用できます。
3つ目の理由は、生命保険の代わりになるためです。アパートを購入するためのローンには「団体信用生命保険」が組み込まれています。個人で生命保険に加入していなくても、アパート経営自体が生命保険の代わりになり、オーナーに万が一のことがあっても、家族に毎月の家賃収入を残すことができます。
4つ目の理由は、ローリスク・ロングリターンであるためです。アパート経営は、入居者さえいれば毎月一定の収入が得られ、その収入をローンの返済にあてられます。ローン完済後は家賃をすべて収入として得ることもでき、場合によっては物件の売却によって大きな金額を得ることも可能です。こうした理由からアパート経営は、他の投資方法に比べてローリスク・ロングリターンと言われています。
5つ目の理由は、相続税や固定資産税の節税対策になるためです。相続財産が現金の場合は、そのまますべて課税対象になりますが、土地にすることで課税対象になる金額が7〜8割程度に抑えられます。課税対象が抑えられることで、支払う税金も安くなり、節税となるのがメリットの1つです。
アパート経営とマンション経営の違い
アパート経営と同じく、マンション経営もよく話題にあがります。アパート経営とマンション経営は似ていますが、実際には違いがいくつかあるので把握しておきましょう。
一般的に、アパートとはエレベーターがいらないほど階層の低い集合住宅を指します。一方でマンションとは、エレベーターが必要なほど階層の高い集合住宅を指します。これらを貸し出すのがアパート・マンション経営です。
アパートとマンションでは、規模や構造が違います。アパートは木造が多いのに対して、マンションは鉄骨造やRC造が多いのも違いの1つです。
こうした違いは初期費用や空室率に影響します。結論から言うと、初期費用が安く空室率が高いのはアパート、初期費用が高く空室率が低いのはマンションと言えるでしょう。
アパート経営が向いている人の特徴
マンション経営に比べると空室率が高いと言われるアパート経営ですが、きちんと経営すればマンションと変わらない安定した収入を得られます。アパート経営とマンション経営、どちらを選ぶかは自分に向いている方を選択しましょう。
アパート経営が向いているのは以下のような人です。
- 給与所得や所有する土地の固定資産税などを節税したい
- 老後の年金対策をしたい
- 安定した所得を得たい
- 収益性のある資産を所有しておきたい
このように、目的がはっきりしている人にはアパート経営が向いています。物件の管理や入居者募集などは管理会社に任せることができるので、目的のためにそうしたサービスを割り切って使える人は、アパート経営をしても失敗しにくいでしょう。
反対に、単に安定した収入を得たいなど目的が曖昧な人は、アパート経営のすべてを自分でこなそうとして、かえって失敗してしまう可能性があります。アパート経営はマンション経営に比べて難しいことを理解した上で、必要に応じて管理会社に業務を委託することが大切です。
アパート経営の年収と収入内訳
国税庁が公表している令和3年分の申告所得税標本調査によると、アパート経営の年収は平均で542万円です。令和2年分の調査では約540万円、令和元年分の調査では約520万円だったことを見ると、年々増加傾向にあることが分かります。
そんなアパート経営で得られる収入の内訳を見てみましょう。
家賃収入
アパート経営のメイン収入です。部屋を貸し出すことで、入居者から家賃という形で収入を得ます。入居者がいる限り毎月一定の収入を得られるのが魅力です。一方で、空室があればあるほど収入が減っていきます。
管理費・共益費
主に共用部の管理に必要な費用は、管理費・共益費として家賃とは別に回収します。家賃の5〜10%が相場です。
管理費・共益費の使い道は制限されませんが、長くアパート経営を続けていくことを考えると、きちんと建物の管理に使うのがベストです。
具体的には、共用部の清掃やごみ処理にかかる費用、光熱費、設備の修理費用などに使います。
駐車場料金
駐車場があるアパートの場合、スペースを貸し出すことで、家賃とは別に収入を得られます。家賃と同様に毎月一定の金額を得られる収入です。
ただし、都心だと車自体を所有しない家庭が増えているため、駐車場の利用者が少ない可能性が考えられます。入居者が駐車場の利用を希望しない場合は、外部の車の駐車場として活用するなどの工夫が必要です。
礼金
入居のタイミングで、入居者がオーナーへと支払う謝礼金です。一度きりの収入となります。
家賃の1〜2ヶ月分が相場ですが、近年は入居者を集めるために礼金を0円に設定している物件が増えています。周辺の競合物件と比較しながら設定するのが良いでしょう。
更新料
賃貸契約を更新する時期に得られる収入です。一般的には2年間隔での更新が多く、2年に一度の収入と言えます。家賃の1〜2ヶ月分が相場です。
更新のタイミングで退去を決める人も多いことから、長く住んでもらうために、あえて更新料を設定しないオーナーもいますし、地域によっては慣習として更新料を取らない地域もあります。
アパート経営を始める前の準備
ここからは、アパート経営を始めるにあたって必要な事前準備について解説します。アパート経営は、始める前の情報収集や計画が大切です。経営を成功させるために、以下の内容を参考にしてみてください。
目的・方針を決める
最初に、アパート経営の目的・方針を決定します。
アパート経営で得られる収入は「不労所得」と呼ばれることもありますが、何もせず収入を得られるわけではありません。建物のメンテナンスや入居者の管理などの業務が伴います。
また、始めるにあたって自己資金を使わなければならないため、資金を投資する目的を明確にしておきましょう。経営を始めたら、目的に対してどの程度の結果を得られているのか、都度確認することで経営失敗のリスクを減らせます。
土地の活用方法を再考する
目的によっては、土地の活用方法を再考することも視野に入れましょう。土地の活用方法にはアパート経営以外にも、貸しビルや貸し倉庫などとして提供する事業用不動産としての活用、駐車場やトランクルームなど土地そのものを貸し出す活用方法があります。
いずれも異なるメリット・デメリットを持つため、自分の目的にアパート経営が本当にマッチしているか、今一度考えてみてください。
市場調査をする
アパート経営をすると決めたら、次は市場調査をします。具体的には、「人口の推移」「周辺の競合物件」「立地」「周辺施設」などを役所やインターネット、現地調査によって調べます。
市場調査を行うことで、その土地における入居者のニーズが分かり、ニーズに沿ったアパートを建築できます。
建築会社を選ぶ
市場調査を経て入居者のニーズが分かったら、アパートの建築会社を選びます。この時にチェックするのは、施工実績や職人の働きぶり、経営の健全性です。大家さんの中には、建物の建築が遅れた、建築中に会社が倒産してしまったなどのトラブルに遭った人がいるため慎重に選びましょう。
資金計画を立てる
建築会社を選ぶ傍らで、資金計画を立てることも大切です。物件の購入に必要な自己資金はもちろん、5年後や10年後の建物のメンテナンスにかかる費用などもふまえて計算し、必要に応じた資金調達を行います。
資金計画を立てる際は、築年数に伴う家賃の下落や空室率も計算に含めるようにしましょう。
アパート経営に必要な資金について、詳細は後の「アパート経営に必要な資金はどれくらい?」を参考にしてください。
アパート経営でやること
事前準備が終わったらアパート経営がスタートします。アパート経営中は、オーナーに以下のような業務が発生します。
なお、業務は管理会社に委託することもできるため、自身での対応が難しい場合は検討しましょう。
入居者管理
家賃の徴収や入居者トラブルへの対処を行います。
また、空室がある時の入居者募集や、新たに入居者が決まったタイミングの契約の手続き、退去が決まった入居者への退去の立ち会い、敷金の計算なども、入居者管理の業務に含まれます。
建物管理
入居者が快適に過ごせるよう、建物や共用部のメンテナンスを行う業務で、具体的には日常の清掃や設備の修繕、大規模修繕の実施などを行います。
基本的には建物、共用部に対しての業務になりますが、居室の室内設備が故障したなどのケースで、修繕や新しい設備の手配を行うのもオーナーの業務です。
入居者募集
入居者管理の一環でありながら、重要度の高い業務が入居者募集です。空室があると収入が減少してしまうため、積極的に行う必要があります。
近年ではインターネット上で物件を探す人が増えていることから、入居者募集の際にはポータルサイトなどに情報を掲載する方法が主流です。
また、ポータルサイト以外に自分自身でホームページを用意して、スムーズな問い合わせに繋げるオーナーも増えています。
入居者募集について、詳細は下記のコラムをご覧ください。
>>入居者募集のテクニックを解説!大家さんが実践していることとは?
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入居者募集に際して自分で希望者を集めることを検討している大家さんは、ぜひ「ECHOES(エコーズ)」をご利用ください。
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アパート経営3つのリスクと対策
アパート経営をするのならば、リスクについてもきちんと理解し、対策を行っておくことが大切です。
ここでは、そんなアパート経営の3つのリスクと対策について解説します。
空室リスク
アパート経営でもっとも起こりやすく注意したいのは、空室リスクです。空室ができることで家賃収入が減ってしまいます。空室期間が長ければ長いほど収入にも影響するので、できる限り空室期間を短くすることが、アパート経営において安定した収入を得るためのポイントです。
空室対策は、アパート経営を始める前に行えるものと、経営中に行えるものの2種類があります。前者は入居者ニーズにマッチするよう、ターゲットを見極め、それに合わせた間取りや設備、立地の物件を購入する対策方法です。
後者は建物や共用部、居室のメンテナンスを行い良好な状態を維持すること、入居者募集に力を入れることで、次の入居者を早めに決める対策方法です。
空室対策について、詳細は下記のコラムをご覧ください。
>>アパート・マンションの空室対策10選。やってはいけない方法や実施のタイミングも
老朽化のリスク
築年数が古くなると、アパートは老朽化していきます。老朽化したアパートは大規模な修繕が必要となり、そのために必要な費用も大きな負担になります。
こうした大規模修繕に大きな費用が発生することは、アパート経営を始める前の資金計画を立てる段階で想定しておきましょう。
また、一般的に、大規模修繕は15〜20年ごとに行われます。その時に修繕費の支払いができるよう、毎月積み立てておくことも対策の一環です。
災害のリスク
地震や台風などの災害のリスクは、予測が難しいからこそ対策が重要です。
災害のリスクへの対策として、保険には必ず加入しておきましょう。
また、リスクを低減するために火災の影響が及びにくいRC造の物件や、改正後の耐震基準で建てられた物件を選ぶなどの対策もできます。
アパート経営に必要な資金はどれくらい?
アパート経営を始めるためには、何をおいてもまず資金が必要です。とはいえ、すべて自己資金でまかなう必要はなく、不足分は不動産投資ローンを利用して借りることができます。
一般的に、アパート経営を始めるために必要な自己資金の目安は、物件価格の1〜3割程度と言われています。もちろん、自己資金の割合が多いほどローンで借り入れる金額が少なくなり、返済の負担を減らせるので、自己資金は余裕を持って用意するのがおすすめです。
ただし、アパート経営をしていると、建物の老朽化に伴う大規模修繕をはじめとした急な出費が発生することも。その時に必要な費用が用意できない事態は避けなければなりません。
アパート経営の前にはきちんと資金計画を立て、将来的に必要な費用は貯金として残しておくなどの選択も大切です。
アパート経営にかかる税金を知っておこう
アパート経営をするのであれば税金についても知っておく必要があります。なぜならアパート経営をするには、さまざまな税金がかかるためです。
アパート経営で発生する税金は、「アパートを建てる時にかかる税金」と「アパートの経営中にかかる税金」の2種類に分けられます。
アパートを建てる時にかかる税金 | ・印紙税 ・登録免許税 ・不動産取得税 |
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アパートの経営中にかかる税金 | ・固定資産税 ・都市計画税 ・所得税 ・住民税 ・個人事業税 ・法人税 |
これらの税金の中には節税できるものも含まれています。場合によっては数十万円もの差が出ることもあるため、少しでも負担が少なくなるよう税理士に相談しましょう。
アパート経営は確定申告が必要
アパート経営は毎年の確定申告が必要になります。
申告方法は白色申告と青色申告の2種類。手続きが簡単なのは白色申告ですが、青色申告は最大65万円の特別控除が受けられるため、青色申告を選択することをおすすめします。
なお、確定申告では条件を満たした費用を「経費」として計上でき、節税に繋がります。
経費として計上できるのは、アパート経営に直接関係のある費用です。共用部の修繕費や入居者募集に必要な広告費などが含まれます。税の支払いによる負担を減らすため、経費として計上できるかどうかの基準を押さえておきましょう。
アパート経営におすすめの資格
アパート経営を始めるのに資格は不要です。しかし失敗のリスクを考えると、ある程度専門的な知識や技術を持ってから始めたいと考える人も多いのではないでしょうか。
アパート経営を始めるにあたって専門的な知識や技術を身につけておきたいのであれば、以下の資格の取得をおすすめします。
賃貸不動産経営管理士 | 経営や設備管理、法律、税金など、賃貸物件の管理に関わる国家資格 |
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不動産実務検定2級 | 賃貸物件オーナーとしての基礎知識や運営ノウハウの理解度に関わる検定 |
住宅診断士 | 住宅の状態を正確に判断するための知識に関わる民間資格 |
宅地建物取引士 | 不動産全般の法律知識に関わる国家資格 |
FP3級 | 資金計画や金融商品の選び方など、資産運用の知識に関わる国家資格 |
取得するまでに時間がかかる資格や、取得の難易度が高い資格もあるので、目標に合わせて自分に必要な資格を目指しましょう。
まとめ:アパート経営を成功させて資産づくりに役立てよう!
この記事ではアパート経営が注目されている理由やメリット、経営を始める前の準備、リスクと対策などを解説しました。
アパート経営は、上手くいけば安定した収入を得ることができ、老後の年金対策にもなります。将来を考えたら、ぜひ取り組みたい投資方法の1つです。
他の投資方法に比べてローリスク・ロングリターンであるのも魅力ですが、中には経営に失敗し、始めたことを後悔するオーナーもいます。アパート経営の成功には、事前準備からしっかり取り組むことが大切です。